~風の彼方~
美しいものが好き。自然と身体にいいことを模索・実践中です
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猪鹿蝶
と言っても、花札ではありません。
久生十蘭短篇選の中の一篇です。最初の「黄泉から」というのはとても好きな作品でしたが、こちらは違った意味で、奥深いといいましょうか。同時に著者の知識量、粋に舌を巻いてしまいます。

以下抜粋、
『帯はともかく、着物のほうがわからない。吉野でもなし、保多織でもなし、あれでもないこれでもないと考えているうちに、いつだったか千々村がいっていた、秋田の蕗織なんだとやっとのことで行きついたというわけ』
『あたしのほうにも、もちろんツモリはあったのよ。薄いレモン地に臙脂の細い立縞をよろけさせたお召に、名物裂の両面つづれの布』
『長襦袢は、朱鷺色縮緬の古代霞のぼかし。単衣は、鶸茶(ひわちゃ)にけまんを浮かせたあの厚手の吉野。帯は、コイペルのゴブランにして、西洋の香水は慎んで,沈香の心材に筏を彫った帯止(原文ママ)だけにしておく。』
『雨絣の本薩摩に革模様の紺博多、結城の紺足袋というお仕度で、白扇をブラブラさせながら』など、辞書を引いてもわからない。。。溜息が出ます。

これを読んで現物のわかる人はどのくらいいるでしょう。織りを始めて漸くわかる言葉もあれば、まったくわからない言葉もあります。
当時はこれを解する人がいた筈で、その状況を思えば今の日本の衣の文化が貧弱に思えて仕方がありません。
題名の「猪鹿蝶」にも含蓄があり、感慨深いものがあります。怪奇ものは苦手だけれど、読んでみたいような。。。
コメント
この記事へのコメント
久しぶりに覗いたら
3月入って仕事上くらーい毎日を過ごし、ようやく脱皮、春の気配を感じた虫さんが顔を出すようにここを覗いたら、、、、いっぱい書いてあって嬉しい。
しかし、このお着物のお話は、私にとったらまるで英語です。わかりませんです。でも、連なってる漢字は、なんかいい感じ。しゃれではありません。漢字の中でも紺とか、藍とか好きな字があるんですけど、そういう好きな漢字に近いにおいがあります。意味はさっぱり分からないけど。いっぱい調べて教えてね。ユキさんのお話聞くの好き。
2010/03/23(火) 00:51:52 | URL | サカイネーゼ #-[ 編集]
コメントありがとうございます!
嬉しいコメントをありがとうございます。
私も着物のことはさっぱりだけど、織りの教室で、吉野格子やつづれ織り、よろけなどは何回か聞くようになって、馴染みが出て来ました。きっと昔の通の人は粋を競うことが楽しみの一つだったのでしょうね。
着物に興味を持ち始めれば年だ、と誰かに言われたのですが、私も例外でなく(笑)、年とってきていいなぁと思うようになりました。
紺とか藍って、字面もですが、響きもいいですよね。日本古来の色ももっと知りたいと思います。また、聞いてやって下さいね。
2010/03/26(金) 22:06:36 | URL | 雪 #-[ 編集]
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